12〜2月の寒い時期に咲く花には、クリスマスローズやパンジー・ビオラ、ガーデンシクラメン、葉牡丹、サザンカ、水仙など、意外に多くの種類があります。このページでは冬に咲く花を、ガーデニング草花・球根・花木・野草の性質別と色別で一覧にまとめ、育て方のコツや寒さ対策までを、当サイトで撮影した写真とあわせて解説します。
ただ、いざ「冬の花を植えたい」となると、名前で選ぶと迷いがちです。冬の花は12〜2月を通して長く咲くものが多く、月で区切るより「どんな性質か(草花・球根・花木)」「寒さにどれだけ強いか」で選ぶほうが失敗しません。
「植えっぱなしで毎年咲く花」「クリスマス・お正月を彩る花」「霜や寒さへの対策」まで順にまとめています。なお、9〜11月に見頃を迎える花は〈秋に咲く花の一覧〉をご覧ください。
冬に咲く花とは|見頃は12〜2月が目安
「冬の花」と呼ばれる範囲
園芸で「冬の花」というとき、多くは12月から2月ごろに咲く花を指します。11月から咲きはじめる花(サザンカ・パンジー・葉牡丹など)は秋と冬の境目にあたり、本記事では冬の主役として扱いますが、植え付けや秋からの流れは〈秋に咲く花の一覧〉もあわせてご覧ください。
冬の花は「長く咲く」ものが多い
冬の花の特徴は、一つの花が数か月にわたって咲き続けることです。パンジー・ビオラやガーデンシクラメンは晩秋から春まで、クリスマスローズは1〜3月にかけて咲きます。夏の花のように「一気に咲いて終わる」のではなく、寒さのなかでゆっくり咲くため、月別に分けにくいのが冬の花です。だからこそ、性質で選ぶほうが向いています。
秋の花・春の花とはどう違うのか
秋の花が「実りと落ち着いた色」なら、冬の花は数が絞られ、一株の存在感で見せる構成になります。花壇全体を埋めるより、寒さに強い花を要所に置き、葉牡丹のカラーリーフや常緑の葉で面をつくるのが冬の庭づくりのコツです。春の花との違いは、植え付け時期にもあります。パンジー・ビオラは秋(10〜11月)に植えると根が張り、冬から春まで長く咲きます。
冬の花の選び方は3つの軸で決まる
冬の花を選ぶときは、①屋外の花壇か、鉢・室内か ②今年だけか、毎年咲かせたいか(一年草か多年草・球根か)③どれだけ寒さに強いか(耐寒温度)── この3つを先に決めると候補が絞れます。名前から選ぶと迷いますが、この順なら迷いません。
冬を代表する花|クリスマスローズ・シクラメン・パンジービオラ
冬の花としてまず名前が挙がるのが、この3種です。いずれも冬の間ずっと咲き、はじめての一鉢にも向きます。
クリスマスローズ
うつむくように咲く花が上品で、1〜3月の寒い時期に咲く常緑の多年草です。半日陰でもよく育ち、一度植えると毎年花を見せてくれるため、庭植えの定番になっています。花に見える部分は花びらではなくガク片で、咲き終わっても長く残るのが特徴です。
育てるコツ:落葉樹の下や建物の北側など、夏は日陰・冬は日が当たる場所が向きます。過湿と夏の蒸れに弱いので、水はけよく植え、株元が混み合ったら葉を整理します。植えっぱなしで数年かけて大株に育ち、寒さにも強い丈夫な花です。
ガーデンシクラメン
鉢花のシクラメンを、屋外でも育つように改良した品種です。霜に当たっても枯れにくく、寄せ植えや花壇の彩りとして晩秋から春まで楽しめます。花が上を向いて次々に咲くため、玄関先を明るく見せてくれます。
育てるコツ:日なた〜半日陰に置き、過湿を嫌うので水は株元の土へ与え、球根の頭や葉の中心にはかけません。しおれた花や枯れ葉はこまめに取り除くと、次の花が上がりやすく病気も防げます。強い霜が続く夜は軒下に移すと安心です。
パンジー・ビオラ
冬から春の花壇でもっとも活躍する花です。植え付けは秋(10〜11月)が適期で、根がしっかり張ってから寒さを迎えると、冬のあいだも咲き続け、春に株が大きく育ちます。ビオラは花が小さめで数が多く、パンジーは一輪が大きく見応えがあります。色数が非常に豊富で、寄せ植えの主役にも脇役にも使えます。
育てるコツ:日なたでよく咲きます。しおれた花を花茎の根元から摘む「花がら摘み」を続けると、次々と花が上がり、春まで長く楽しめます。秋のうちに植えて根を張らせ、冬でも生育がゆるやかに続くので、薄めの液体肥料を月に数回与えると花つきが安定します。
ガーデニングで育てる冬の花(草花)
花壇やプランターで育てやすい、草花タイプの冬の花です。多くは秋に苗を植えて冬から春まで楽しみます。
ノースポール
白い小さな花を株いっぱいに咲かせる、丈夫で育てやすい花です。こぼれ種でも増え、花壇の縁取りや寄せ植えの白として重宝します。

プリムラ(ジュリアン・ポリアンサ)
赤・黄・青・ピンク・白と色とりどりに咲き、冬の花壇や鉢を明るくします。最盛期は11〜4月で、園芸店にもっとも多く並ぶ冬の草花のひとつです。

ストック
甘い香りと、穂状に咲く花が特徴です。切り花としても人気で、花壇では立ち上がる縦のラインをつくります。寒さには比較的強いものの、強い霜は避けたほうが安心です。
アリッサム(スイートアリッサム)
地面を這うように広がり、小花がじゅうたん状に咲きます。寄せ植えの株元やプランターの縁からこぼれるように使うと、全体がやわらかくまとまります。
サイネリア(シネラリア)
青・紫・ピンクの鮮やかな花を丸くまとめて咲かせます。寒さにはやや弱く、霜の当たらない軒下や室内の窓辺が向きます。冬から早春の鉢花として親しまれています。
冬に咲く球根の花
秋に植えて冬〜早春に咲く球根の花です。植えっぱなしで毎年咲くものも多く、手間をかけずに季節を告げてくれます。
| 花 | 咲く時期 | 特徴 |
|---|---|---|
| スイセン(水仙) | 12〜2月 | 植えっぱなしで毎年咲く。日本水仙は香りがよい |
| スノードロップ | 1〜2月 | 雪のなかでも咲く小さな白花。早春の使者 |
| シクラメン(原種) | 12〜2月 | ガーデンシクラメンより小輪で寒さに強い |
| ヒヤシンス | 1〜3月 | 水栽培でも楽しめる。香りが強い |
冬に咲く花木・低木
草花が少なくなる冬は、木に咲く花が庭の主役になります。庭に一本あると、毎年手をかけずに季節が来ます。
サザンカ(山茶花)・椿(ツバキ)
どちらも冬を代表する花木です。見分け方は花の散り方で、サザンカは花びらが一枚ずつ散り、椿は花ごと落ちるという違いがあります。サザンカは11〜12月、椿は12〜4月ごろが中心です。生け垣にも使われ、寒い季節の庭を支えます。
ロウバイ(蝋梅)
1〜2月に、ろう細工のような透明感のある黄色い花を咲かせます。甘い香りが遠くまで届くため、姿より先に香りで気づくことの多い花です。花の少ない真冬に咲くため、庭のアクセントになります。
ウメ(梅)
春を告げる花として知られますが、早い品種は1月下旬から2月に咲きはじめます。香りがよく、枝ぶりを楽しめるのも魅力です。
エリカ・ヒイラギ・スキミア
小花を密につけるエリカ、赤い実と光沢のある葉が美しいヒイラギ、蕾と実で冬の寄せ植えを彩るスキミアなど、常緑で寒さに強い低木も冬の庭を支えます。
花木を育てるコツ:サザンカや椿は日なた〜半日陰でよく育ち、植え付けは花後の春か秋が適期です。剪定は花が終わったあと早めに行うと、翌年の花芽を切り落とさずにすみます。ロウバイやウメは落葉期の12〜1月に枝を整えると、樹形を保ちながら花つきもよくなります。いずれも一度根づけば手がかからず、毎年冬を彩ってくれます。
冬の野草・山野草
園芸品種から少し離れて、山野に咲く冬の花もあります。小さく可憐で、寒さのなかに春の兆しを感じさせます。
- フクジュソウ(福寿草)/2〜3月・黄金色の花。名前から縁起物として親しまれる
- セツブンソウ(節分草)/2月ごろ・節分の時期に咲く白い小花
- ユキワリソウ(ミスミソウ)/2〜3月・雪解けとともに咲く
- タチツボスミレ/暖地では冬にも咲くことがある
山野草のなかには自生地が減っている種もあります。園芸店で栽培品として販売されているものを楽しみ、自生の株を採取することは避けてください。
色から探す冬の花
花の名前がわからないときや、寄せ植えの配色を決めたいときは、色から探すほうが早いことがあります。色を先に決めると、名前を知らなくても組み合わせが決まります。
| 色 | 冬に咲く主な花 |
|---|---|
| 白 | ノースポール、スノードロップ、水仙、クリスマスローズ(白)、アリッサム |
| 赤・ピンク | ガーデンシクラメン、サザンカ、椿、プリムラ、ポインセチア |
| 黄・オレンジ | ロウバイ、福寿草、ユリオプスデージー、キンセンカ、水仙 |
| 紫・青 | パンジー・ビオラ、サイネリア、ムスカリ(早咲き)、クリスマスローズ(紫) |
| カラーリーフ | 葉牡丹(赤紫・白・クリーム)、ヒューケラ |
冬は花数が少ないぶん、葉牡丹やヒューケラなどのカラーリーフで面をつくると、花が少ない時期でも寄せ植えがまとまります。主役の花を1色決め、脇に2色まで、そこにカラーリーフを足すのが冬の配色の基本です。
クリスマス・お正月を彩る花
冬ならではの楽しみが、行事に合わせた花です。ギフトや玄関の飾りとして選ばれる花を集めました。
クリスマスに映える花
クリスマスの定番といえばポインセチアです。赤い部分は花びらではなく苞(ほう)と呼ばれる葉で、短日処理で色づきます。鉢花として室内で楽しむのが基本で、寒さと水のやりすぎに注意すると長持ちします。

お正月を彩る花
お正月の寄せ植えや飾りには、葉牡丹が欠かせません。花のように見える中心の葉が、寒さに当たるほど赤紫やクリーム色に色づき、正月飾りの中心になります。松・千両(センリョウ)・南天(ナンテン)の赤い実と合わせると、和の趣が出ます。

初心者でも育てやすい冬の花|プランターと寄せ植え
「まず一鉢から」という方には、寒さに強く手のかからない花が向きます。
プランター・鉢植えで育てる
ベランダや玄関先なら、草丈が高くなりすぎない花が向きます。パンジー・ビオラ、ガーデンシクラメン、ノースポール、プリムラ、葉牡丹あたりが扱いやすい部類です。鉢は直径15〜18cmほどの5〜6号鉢が管理しやすく、大きすぎる鉢は土がいつまでも乾かず根腐れの原因になります。
冬の寄せ植えレイアウト
冬の寄せ植えは、「主役の花+カラーリーフ+こぼれる小花」の3要素で決まります。中心に葉牡丹やガーデンシクラメン、脇にパンジー・ビオラ、株元にアリッサムを流すと、花が少ない時期でも面がまとまります。色は主役1色・脇2色までに絞ると散らかりません。
たとえば、中心に赤紫の葉牡丹を据え、まわりに白いノースポールと紫のビオラを配し、株元にシルバーリーフを流すと、正月にもクリスマスにも合う引き締まった鉢になります。やさしい雰囲気にしたいときは、中心をガーデンシクラメンのピンクにして、白と淡い青のビオラでまとめると、寒い時期でもやわらかい印象の寄せ植えになります。
▶ 用土・肥料・鉢のそろえ方は〈はじめての花のガーデニング|必要なものと選び方〉にまとめています。
冬の花を長く咲かせる管理
霜・雪・寒さ対策
冬の花で多い失敗が、耐寒性を超えた寒さに当てることです。パンジー・ビオラや葉牡丹は霜に強い一方、サイネリアやガーデンシクラメンは強い霜で傷みます。寒波の夜は、鉢を軒下に移すか、不織布をかけるだけでも被害を減らせます。
水やり
冬は「乾いてから、午前中に」が基本です。気温が下がると土が乾くまでの時間が延びるのに、夏と同じ感覚で毎日与えると根腐れの原因になります。夕方以降に与えると、夜間に土中の水が凍って根を傷めることもあるため、暖かい午前中に与えます。
置き場所
冬は日照時間が短いため、できるだけ日の当たる場所に置きます。日当たりが不足すると花つきが悪くなります。室内の鉢花(ポインセチア・シクラメン)は、暖房の風が直接当たる場所を避けると花もちがよくなります。
苗の選び方
苗は花がたくさん咲いている株より、つぼみが多く残っている株を選びます。茎が間のびしておらず、葉の色が濃く、株元がぐらつかないものが良い苗です。
冬のガーデニング作業カレンダー(11〜2月)
冬は花の少ない季節ですが、次の春に向けた作業が意外に多い時期です。月ごとの目安をまとめました。地域や品種によって前後するので、住んでいる地域の気候にあわせて調整してください。
| 月 | 主な作業 |
|---|---|
| 11月 | 秋植え球根の植え付けを終える。パンジー・ビオラ、葉牡丹、ノースポールの定植。寒さ対策の準備(不織布・鉢の移動場所の確保) |
| 12月 | 花がら摘み。水やりは暖かい午前中に控えめ。強い霜の夜は軒下へ。クリスマスの鉢花(ポインセチアなど)は室内の明るい窓辺へ |
| 1月 | 花木の寒肥(有機質肥料を株元に)。寒波時は不織布や軒下で防寒。水やりは最小限に。お正月飾りの葉牡丹を楽しむ |
| 2月 | 春に向けた芽出し肥。傷んだ株の切り戻し・植え替えの準備。早春に咲く花(ラナンキュラス苗など)の植え付け |
この時期にひと手間かけておくと、春の花つきが大きく変わります。とくに秋の定植と冬の花がら摘みは、長く咲かせるための基本です。
冬の花の花言葉
冬の花にも、それぞれ花言葉があります。クリスマスローズの「私の不安をやわらげて」、水仙の「自己愛」、葉牡丹の「慈愛」「祝福」など、しっとりとした意味を持つものが多いのが特徴です。ただし花言葉は出典によって異なることがあり、由来にも諸説あります。贈り物に添える際は最新の情報もあわせてご確認ください。
▶ 花ごとの詳しい意味は〈花言葉一覧|気持ち・感情から探す写真付きガイド〉から探せます。
冬の花の写真について
この記事に掲載している写真は、すべて当サイトが撮影したオリジナルです。冬の花は光が斜めから入る季節で、実は一年でもっとも撮りやすい時期です。花数が少ないぶん、主役の一輪を決めて背景に距離をつくると、寒さのなかの一株がすっきりと際立ちます。
▶ レンズや三脚の選び方は〈花の写真を撮るための機材ガイド〉にまとめています。
よくある質問
12月・1月・2月に咲く花にはどんなものがありますか?
12月はパンジー・ビオラ、葉牡丹、サザンカ、ポインセチア(室内)。1月はロウバイ、水仙、クリスマスローズ、ガーデンシクラメン。2月はウメ、福寿草、節分草、スノードロップが代表的です。多くは12〜2月を通して咲きます。
冬に植えっぱなしで咲く花はありますか?
あります。多年草・宿根草(クリスマスローズ、宿根ネメシア)と、掘り上げ不要の球根(水仙、スノードロップ)が代表です。パンジー・ビオラなどの一年草は毎年植え替えが必要です。
初心者でも育てやすい冬の花は?
パンジー・ビオラ、ノースポール、葉牡丹、ガーデンシクラメンが育てやすい部類です。いずれも霜に比較的強く、プランターでも管理できます。
寒さに強い冬の花木は?
サザンカ、椿、ロウバイ、ウメ、ヒイラギなどです。低木で扱いやすいのはサザンカとロウバイで、狭い庭でも収まります。
冬の花の水やりはどうすればいいですか?
「土の表面が乾いてから、暖かい午前中に」が基本です。冬は乾くのが遅いため、毎日与えると根腐れしやすくなります。夕方以降は凍結を避けるため控えます。
まとめ
冬の花選びは、①屋外か鉢・室内か ②今年だけか毎年か ③どれだけ寒さに強いか、の3つで決まります。名前を覚えるのは後からで十分です。花壇の彩りならパンジー・ビオラと葉牡丹、毎年咲かせたいなら水仙やクリスマスローズ、行事にはポインセチアと葉牡丹。この骨格さえつかめば、鉢でも花壇でも同じように考えられます。
冬は花が少ない季節に見えて、寒さに強い花とカラーリーフを組み合わせれば、玄関先やベランダを長く彩れます。手をかけずに毎年咲く花を一つ植えておくと、寒い季節にも小さな楽しみが生まれます。