「花を育ててみたいけれど、まず何をそろえればいいの?」——これは、ガーデニングを始める方が最初にぶつかる悩みです。当サイトでは、紫陽花・バラ・チューリップ・金魚草・ムスカリ・マーガレット・ペンタス・カランコエ・サツキ・マツバギクなどを実際に育て、その姿を写真に収めてきました。このページでは、その経験をもとに、初心者が最初にそろえたい「土・肥料・道具」の選び方を、実際に使ってよかったものを軸に整理します。すべてを一度にそろえる必要はありません。育てる花と場所が決まれば、必要なものは自然と絞れます。
花を育てる前にそろえたい「土・肥料・道具」の3本柱
園芸用品はたくさんありますが、花を育てるうえで本当に土台になるのは、①培養土(土)②肥料・活力剤 ③最低限の道具(移植ゴテ・ジョウロ・はさみ・手袋・鉢)です。この3本柱さえ押さえれば、たいていの草花は元気に育ちます。逆に、便利グッズは後回しでかまいません。ここではこの順に、選ぶときの考え方と、当サイトが実際に使っているものを紹介していきます。花ごとの詳しい育て方は、ページ末尾の各育て方ガイドで写真付きに解説しています。
培養土の選び方(花を長く咲かせる土)
ガーデニングでいちばん失敗が多いのが「土」です。庭の土をそのまま使うと、水はけが悪かったり、雑草の種や見えない害虫が混じっていたりして、うまく育たないことがあります。初心者の方は、あらかじめ肥料分が配合され、清潔で、袋を開けてすぐ使える市販の草花用培養土から始めるのが確実です。少し割高に感じても、結局は花を長くきれいに楽しめて、手間も減ります。
用途で選び分ける
培養土は用途別に種類があります。パンジーやマリーゴールドのような一般的な草花なら、まず「草花用(花・野菜用)」の培養土を選べば間違いありません。当サイトでも、チューリップ・金魚草・ムスカリ・マーガレット・ペンタスなど大半の草花はこのタイプで育てています。軽くて持ち運びやすいもの、粒状で水はけのよいものだと、ベランダでも扱いやすくおすすめです。
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一方、種まきや挿し木で増やすときは、肥料分を抑えた清潔な「種まき・挿し木用培養土」を使うと発芽・発根が安定します。金魚草を種から育てる方法は金魚草の育て方で、挿し木で増やす手順はマーガレットやペンタスの育て方ページで紹介しています。また、カランコエやマツバギクのような多肉植物は乾燥を好むため、水はけ重視の「多肉・サボテン用培養土」が向きます(カランコエの育て方・マツバギクの育て方で使用しています)。
袋の表示を確認しよう(元肥入り・pH・容量)
培養土を選ぶときは、袋の品質表示をひと目チェックしましょう。「元肥入り」と書かれていれば、植え付けからしばらくは追肥なしで育てられます(それでも1〜2か月ほどで肥料は切れるので、追肥は必要になります)。pHや原材料が書かれている製品は、目的に合っているか判断しやすく安心です。容量は、プランターや花壇の広さに合わせて。花壇など広い場所なら、大容量タイプが割安です。
基本用土と補助用土(少し慣れてきたら)
市販の培養土で十分ですが、自分で土を配合したくなったら、土は「基本用土」と「補助用土」に分かれると覚えておくと便利です。ベースになる基本用土には、水はけと水もちのバランスがよい赤玉土、酸性で水はけのよい鹿沼土などがあります。これに、保水性を高めるピートモスや、水はけを改善するパーライトなどの補助用土を混ぜて調整します。草花用なら「赤玉土(小粒)+腐葉土」を基本に考えると失敗が少なめです。
土のpH(酸度)で花色が変わる花もある
覚えておくと役立つのが、土の酸度(pH)で花の色が変わる花があることです。代表が紫陽花で、一般に酸性の土では青、アルカリ性ではピンク〜赤に傾くといわれます(諸説あります)。青を保ちたいなら鹿沼土など酸性の用土を、ピンクにしたいなら苦土石灰を混ぜて調整します。詳しくは紫陽花の育て方をご覧ください。サツキも酸性を好む花木で、硬質鹿沼土が定番です(サツキの育て方)。
土の再利用について
一度使った培養土は、そのまま使い回すと水はけが悪くなったり、前の植物の根や病原菌が残っていたりします。再利用するなら、根やゴミを取り除き、ふるいで細かい微塵を落として、天日で乾かしてから使うのが基本です。慣れないうちは、失敗を減らすためにも新しい土から始めるのがおすすめです。
肥料・活力剤の選び方
培養土に元肥が入っていても、花を長く咲かせるには追加の肥料(追肥)が必要になります。初心者の方に扱いやすいのは、株元に置くだけの「緩効性(かんこうせい)固形肥料」です。ゆっくり長く効くので、頻繁に与える必要がなく、与えすぎの失敗も起こりにくいのが利点です。花をたくさん咲かせたい時期に、液体肥料を補助的に足す使い方もあります。
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バラのように専用肥料が用意されている花は、専用のものを使うと花つきが安定します(バラの育て方)。肥料は「与えすぎると葉ばかり茂って花が減る」ことがあるので、必ず規定量を守りましょう。真夏の暑い盛りや、冬の休眠期は、肥料を控えるのが基本です。
肥料と活力剤はどう違う?
混同しやすいのが「肥料」と「活力剤」です。肥料は栄養(チッソ・リン酸・カリなど)そのもので、活力剤は栄養を補うものではなく、発根や植え替え後の回復、株が弱ったときのサポート役です。植え替え直後や、元気がないときに活力剤を使うと立ち直りを助けてくれます。肥料の代わりにはならないので、「ふだんは肥料、ここぞという時に活力剤」と役割で使い分けると分かりやすいです。
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なお、殺虫剤や殺菌剤などの農薬は、対象や使い方を誤ると植物や人に影響することがあるため、当ページでは具体的な薬剤の紹介は行いません。病害虫は、風通しをよく保ち、傷んだ葉を取り除く予防が基本です。
最初にそろえる道具(移植ゴテ・ジョウロ・はさみ・手袋・鉢)
移植ゴテ(シャベル)・ジョウロ・土入れ
まず最低限そろえたいのが、移植ゴテ(シャベル)とジョウロです。移植ゴテは苗を植えたり土を入れたりする基本の道具で、狭いスペースならこれ一本でも始められます。丈夫なステンレス製が長持ちします。ジョウロは、水がやさしく出るシャワー口(はす口)のものを選ぶと、種や苗を流さずに水やりできます。水を入れると重くなるので、軽い素材で容量4〜5リットルほどが扱いやすいです。鉢に土を入れる土入れもあると、こぼさず作業できて便利です。これらは100円ショップの品でも十分に始められます。
剪定ばさみ
花がら摘み、切り戻し、枝の剪定と、出番の多い道具です。文具のはさみでも切れますが、切れ味のよい専用の剪定ばさみを使うと切り口がきれいで、植物の負担も軽くなります。マーガレットやペンタスの切り戻し、サツキやバラの剪定にも活躍します。
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園芸手袋(グローブ)
土いじりは手が荒れやすく、爪の間に土も入ります。ケガや汚れを防ぐためにも手袋はそろえておきたい道具です。細かい作業にはフィット感のあるタイプ、バラなどトゲのある花を扱うときは革製が安心です(バラの育て方)。自分の手に合ったサイズを選ぶと、指先が動かしやすく作業がはかどります。
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鉢・プランター
鉢は素材とサイズで選びます。テラコッタ(素焼き)は通気性がよく、根が呼吸しやすいため過湿を嫌う花に向きます。苗より一回り大きいサイズを選び、根が回ってきたら植え替えます。鉢底石を入れて水はけをよくしておくと根腐れを防げます。鉢植え紫陽花のサイズ選びや植え替えは鉢植え紫陽花の育て方で詳しく解説しています。
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あると便利なもの(後回しでOK)
次のものは、必要になってからで十分です。多くは100円ショップでそろいます。
- ネームラベル:植えた花の名前・日付を記録。種類が増えると重宝します。
- 支柱・麻ひも:背が高くなる花や、つるを伸ばす花の誘引に。
- 作業シート:植え替え時に土がこぼれても片づけが楽。新聞紙でも代用可。
- 育苗トレイ:種まきに。卵のパックでも代用できます。
ふやす・季節ものでそろえるもの(球根・種・挿し木)
花に慣れてきたら、「ふやす」楽しみも加わります。ここは季節性が強いので、時期を逃さないのがコツです。
秋植え球根
チューリップやムスカリは、秋(9〜11月ごろ)に球根を植えて、春に咲かせるのが基本です。園芸店に球根が並ぶ秋が仕込み時。ずっしり重く固い球根を選ぶと花つきがよくなります。植え方や向き・深さはチューリップの育て方・ムスカリの育て方で写真付きに解説しています。
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種・挿し木
金魚草は種からも育てられ、マーガレット・ペンタス・カランコエ・マツバギクなどは挿し木で手軽に増やせます。いずれも清潔な種まき・挿し木用の土を使うと成功率が上がります。手順は各育て方ページ(金魚草・マーガレット・ペンタス)で紹介しています。
予算別・初心者の「最初に買う順番」
「一度にそろえるのは大変」という方へ、当サイトのおすすめの順番です。
- ①草花用培養土 ②緩効性肥料 ③移植ゴテ・ジョウロ:まずこれで苗を植えて育てられます。
- ④鉢(鉢植えなら) ⑤剪定ばさみ ⑥園芸手袋:植える場所と手入れに合わせて。
- ⑦活力剤:植え替えや弱ったときの保険として、あると安心。
ラベル・支柱・麻ひも・作業シートなどは100円ショップのもので十分です。一方、土と剪定ばさみは、少し良いものを選ぶと結果的に長く快適に使えます。最初から高価なものを全部そろえる必要はありません。無理のない範囲で、少しずつそろえていきましょう。
地植え・ベランダで気をつけること
育てる場所によって、注意点が変わります。地植えは根づけば水やりの手間が少なくラクですが、場所を後から変えにくいので、日当たりと風通しを確かめてから植えます。ベランダは、受け皿に水をためない(根腐れ・水漏れ防止)、避難経路をふさがない、強風時の鉢の落下に備える、といった配慮が必要です。マンションのベランダは共用部にあたることが多いため、事前に管理規約を確認しておくと安心です。夏の高温や西日、冬の寒さで置き場所を変えたいときは、移動できる鉢植えが便利です。
よくある質問
ガーデニングを始めるのに、最低いくらぐらいかかりますか?
草花用培養土・苗・移植ゴテ・ジョウロだけなら、数千円ほどで始められます。100円ショップも活用すれば、さらに抑えられます。まず小さく始めて、続けられそうなら少しずつそろえるのがおすすめです。
培養土は花用と野菜用で違いますか?
設計が異なります。花用(草花用)は花つきを重視した配合、野菜用は実をつけるための栄養を重視した配合です。花を育てるなら「草花用」「花・野菜用」と書かれたものを選びましょう。
肥料をあげているのに花が咲きません。
肥料の与えすぎで葉ばかり茂っている、日当たりが足りない、剪定の時期を間違えた、などが考えられます。まずは置き場所の日当たりと、花ごとの剪定時期を見直してみてください。花別の原因は各育て方ページで解説しています。
花別の詳しい育て方へ
ここで紹介した道具・資材を使った、花ごとの具体的な育て方は、それぞれのページで自社撮影の写真付きに解説しています。育てたい花のページとあわせてご覧ください。
- 紫陽花の育て方/鉢植え紫陽花/紫陽花の剪定/紫陽花の挿し木
- バラの育て方/チューリップの育て方/ムスカリの育て方
- 金魚草の育て方/マーガレットの育て方/ペンタスの育て方
- カランコエの育て方/サツキの育て方/マツバギクの育て方
- 花の種類別 花言葉一覧
花を選ぶところから楽しみたい方は、花言葉一覧もあわせてどうぞ。あなたのガーデニングが、長く楽しい趣味になりますように。