紫陽花の挿し木|時期・やり方・増やし方を初心者向けに解説|active moment

気に入った紫陽花を増やしたいときに便利なのが「挿し木(さしき)」です。切り取った枝を土に挿すだけで、同じ花を咲かせる新しい株を簡単に作れます。

初心者でも成功しやすく、剪定で切った枝を活用できるのもうれしいポイントです。このページでは、紫陽花の挿し木の時期ややり方、用意するもの、発根までの管理、失敗しないコツまでをわかりやすく解説します。

目次

紫陽花の挿し木とは

挿し木とは、植物の枝の一部を切り取って土や水に挿し、新しい根を出させて株を増やす方法です。種から育てるのと違い、元の株とまったく同じ花を咲かせられるのが大きな特徴です。お気に入りの色や品種をそのまま増やせます。

紫陽花は挿し木がとても成功しやすい花のひとつで、ガーデニング初心者が最初に挑戦する増やし方としても人気です。剪定で切り落とした枝をそのまま使えるため、ムダがないのも魅力です。

挿し木で増やした株は、鉢植えにして家族や友人にプレゼントしたり、庭の別の場所に植え広げたりと、楽しみ方が広がります。お気に入りの紫陽花が一株あれば、そこから何株でも同じ花を増やせるのです。市販の苗を買い足すよりも経済的で、愛着もひとしおです。

挿し木の時期はいつ?

紫陽花の挿し木に最も適しているのは、梅雨どきの6月〜7月です。この時期は気温と湿度が高く、挿し穂が乾きにくいため、もっとも発根しやすい絶好のタイミングです。雨が多く空気が湿っている梅雨は、挿し木にとってまさに理想的な環境といえます。

ちょうど花後の剪定の時期とも重なるため、剪定で切った枝を挿し木に回すと効率的です。剪定と挿し木を同じ日にまとめて行えば、作業が一度で済むうえ、切ったばかりの新鮮な枝を使えるので発根率も上がります。剪定の時期や切り方は 紫陽花の剪定時期と切る場所 のページで解説しています。

なお、春(3〜4月)や秋(9月ごろ)にも挿し木はできますが、気温が低すぎたり高すぎたりすると発根しにくくなります。初心者がいちばん成功しやすいのは、湿度が高く気温も穏やかな梅雨どきと覚えておきましょう。真夏の猛暑や真冬の寒さの中での挿し木は避けるのが無難です。

用意するもの

挿し木に必要なのは、次のものです。

  • よく切れる清潔なはさみ(剪定ばさみ)
  • 挿し木用の土(赤玉土の小粒や鹿沼土など、肥料分のない清潔な土)
  • 植木鉢やポット
  • 発根促進剤(あるとより確実)

挿し木用の土は、肥料分を含まない清潔なものを使うのがポイントです。栄養豊富な培養土は、発根前の挿し穂には雑菌が繁殖しやすく不向きです。市販の「さし芽・種まき用」の土を使えば、肥料分が入っていないので安心して使えます。

容器は、専用のポットでなくても、底に穴をあけた紙コップやプリンの空き容器などでも代用できます。複数の挿し穂をまとめて挿すなら、平鉢やプランターを使うと管理が楽です。発根促進剤は必須ではありませんが、切り口につけておくと発根が早まり成功率が上がるため、初心者の方にはあると心強いアイテムです。

挿し木用の土と道具は、次のものを目安にそろえると失敗しにくくなります。

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挿し木のやり方(手順)

手順は次のとおりです。

  1. その年に伸びた緑色の元気な枝を選び、2節分(葉が2対つく長さ)に切り取る
  2. 下のほうの葉を取り除き、上の葉は半分の大きさに切る(水分の蒸発を抑えるため)
  3. 切り口を1時間ほど水に浸して、たっぷり水を吸わせる(水あげ)
  4. 切り口に発根促進剤をつける(あれば)
  5. 湿らせた挿し木用の土に、枝を半分ほど挿す
  6. たっぷり水を与え、明るい日陰に置く

葉を半分に切るのは、見た目以上に大切な作業です。挿し穂はまだ根がなく水を吸えないため、葉からの蒸散を減らしてあげることで、しおれずに発根まで持ちこたえられます。大きな葉をそのまま残すと、水分が足りずにすぐしおれてしまうので、必ず切り詰めておきましょう。

枝を切るときは、節のすぐ下を斜めにカットすると、水を吸う断面が広くなり発根しやすくなります。挿し穂の上下を間違えないように気をつけ、芽が上を向くように挿すのもポイントです。

挿し木後の管理

挿し木をしたあとは、土を乾かさないことが最大のポイントです。直射日光の当たらない明るい日陰に置き、土の表面が乾く前にこまめに水を与えます。乾燥は失敗の最大の原因です。

発根までの期間は、おおよそ3〜4週間。この間は肥料を与えず、ひたすら湿度を保ちます。新しい芽が動き出したら、根が出てきたサインです。挿し穂を軽く引いてみて抵抗を感じれば、しっかり発根しています。

逆に、すっと抜けてしまう場合はまだ発根していないので、もう少し様子を見ましょう。発根前に何度も引き抜いて確認すると、せっかく出かけた根を傷めてしまうため、確認は控えめにするのがコツです。

鉢上げ・植え付け

しっかり発根したら、一回り大きい鉢に植え替える「鉢上げ」を行います。このときから通常の草花用培養土に変え、少しずつ肥料も与え始めます。根を傷つけないよう、土ごとそっと移すのがコツです。

鉢上げの直後はまだ根が弱いので、数日は明るい日陰に置いて様子を見ます。新しい葉が次々と出てくれば、しっかり根づいた証拠です。

その後は徐々に日当たりのよい場所に慣らし、通常の管理に移行します。十分に育ったら、翌年以降、庭や好みの鉢に植え付けて楽しめます。挿し木からじっくり育てた株は愛着もひとしおです。育て方の続きは 紫陽花の育て方 のページをご覧ください。

挿し木や種まきには、肥料分のない清潔な土が向きます。初心者向けに培養土・道具のそろえ方をまとめた〈花の育て方に必要なもの|道具・培養土・肥料ガイド〉もあわせてどうぞ。

失敗しないコツとよくある失敗

挿し木の失敗で多いのが、乾燥挿し穂の選び間違いです。土を乾かしてしまうと発根前に枯れてしまうため、湿度を保つことを最優先にします。また、挿し穂には花のついていた枝より、花のつかなかった若い枝を選ぶと成功率が上がります。

古く硬い枝や、細すぎる弱い枝は避けましょう。複数本挿しておくと、どれかが発根する確率が高まり安心です。

もう一つのコツが、挿したあとの湿度を保つ工夫です。挿し穂にビニール袋をふんわりかぶせたり、透明な容器で覆ったりして簡易的な温室状態にすると、湿度が安定して発根しやすくなります。ただし蒸れると傷むので、ときどき空気を入れ替えましょう。

水に挿して発根させる「水挿し」

土を使わず、コップなどの水に挿して発根させる「水挿し」という方法もあります。挿し穂の作り方は同じで、下葉を取り上の葉を半分に切ったら、水を入れた容器に挿しておくだけ。水は毎日替えて清潔に保つのがコツです。

水挿しは根が出る様子を目で確認できるので、初めての方や室内で楽しみたい方に向いています。根が2〜3cmほど伸びたら、土に植え替えます。ただし、水中で出た根は土になじむまで少し時間がかかるため、植え替え後しばらくは乾かさないよう丁寧に管理しましょう。

発根しないときの原因と対処

3〜4週間たっても発根しない、挿し穂がしおれてしまうという場合は、いくつかの原因が考えられます。

  • 乾燥させてしまった:最も多い原因。土の表面が乾く前にこまめに水を与え、明るい日陰で湿度を保つ
  • 挿し穂が不適切:硬く古い枝や細すぎる枝は発根しにくい。その年に伸びた元気な若い枝を選ぶ
  • 日が当たりすぎ:直射日光は乾燥としおれの原因。明るい日陰に置く
  • 葉が大きいまま:上の葉を半分に切らないと蒸散が多く、しおれやすい

うまくいかないときは、これらを見直して再挑戦しましょう。最初から多めに挿しておけば、いくつか失敗しても株を残せるので安心です。

額紫陽花・柏葉紫陽花も挿し木で増やせる

挿し木のやり方は、品種が違ってもほぼ同じです。繊細な花姿の額紫陽花も、円錐形の花が咲く柏葉紫陽花も、梅雨どきにその年の元気な枝を使えば同じ要領で増やせます。

お気に入りの品種をそのまま増やせるのが挿し木の魅力です。額紫陽花の特徴は 額紫陽花(ガクアジサイ)とは のページで紹介しています。

挿し木に関するよくある疑問

挿し木した翌年に花は咲く?

挿し木の翌年は、株が小さく根もまだ十分でないため、花が咲かないことが一般的です。1〜2年かけてしっかり株を育てると、やがて花を楽しめるようになります。あせらず育てましょう。

何本くらい挿せばいい?

初心者のうちは、多めに挿しておくのがおすすめです。すべてが発根するとは限らないため、5〜6本挿しておけば、いくつか失敗しても確実に新しい株を残せます。

剪定で切った枝はいつまで使える?

切った枝は乾燥するとすぐに使えなくなります。剪定したらできるだけ早く、その日のうちに挿し木するのが理想です。すぐにできない場合は、切り口を水に挿して乾かさないようにしておきましょう。

水挿しと土挿し、どちらがいい?

どちらでも増やせます。根の様子を目で見たい・室内で手軽に楽しみたいなら水挿し、そのまま育てて鉢上げの手間を減らしたいなら土挿しが向きます。初めてなら、発根を確認しやすい水挿しから試すのもおすすめです。

地植えにできるのはいつ?

鉢上げした株が十分に育ち、根がしっかり張ってからにします。挿し木した年は鉢で育て、翌年以降の花後や休眠期に庭へ植え付けると失敗しにくいでしょう。

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この記事を書いた人

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