額紫陽花(ガクアジサイ)とは|特徴・種類・花言葉を写真で解説|active moment

梅雨の時期、中心の小さな花を縁取るように咲く「額紫陽花(ガクアジサイ)」。手まり状に咲く一般的な紫陽花とは少し違う、上品な姿が魅力です。このページでは、額紫陽花とは何かという基本から、名前の由来、本紫陽花との違い、隅田の花火や柏葉紫陽花など主な種類、見頃の季節、そして額紫陽花の花言葉までをまとめて解説します。

立ち並ぶ額紫陽花(がくあじさい)

額紫陽花(ガクアジサイ)とは

額紫陽花とは、中心に集まった小さな花のまわりを、大きな花が額縁のように囲んで咲く紫陽花のことです。日本に古くから自生する紫陽花の原種で、学名をHydrangea macrophylla f. normalis といいます。海岸近くの林などに自生し、関東地方では房総半島や伊豆諸島が自生地として知られています。

私たちが「あじさい」と聞いて思い浮かべる、こんもりと丸く咲く手まり状の紫陽花は、実はこの額紫陽花をもとに品種改良されたものです。つまり額紫陽花は、すべての園芸品種のルーツといえる存在なのです。

江戸時代から観賞されてきた歴史ある花で、シーボルトによって海外へ紹介され、ヨーロッパで数多くの品種が生まれました。その改良種が逆輸入される形で日本に戻ってきたものもあり、額紫陽花は日本と西洋の園芸文化をつなぐ花ともいえます。素朴ながら気品のある咲き姿は、和の庭にも洋風の庭にもよく似合います。

名前の由来と「がく」のこと

「額紫陽花」という名前は、花のまわりを縁取る姿が絵を囲む「額縁」のように見えることに由来します。中心の花を一枚の絵に見立てた、風情のある名づけです。

そして、縁を彩る大きな花びらのように見える部分は、実は本当の花びらではなく「萼(がく)」が変化した装飾花です。「がくあじさい」の「がく」は、この萼を指しています。中心に密集しているつぶつぶこそが、おしべ・めしべを持つ本当の花(両性花)です。

では、なぜ目立つ装飾花が必要なのでしょうか。中心の両性花は小さく地味なため、それだけでは虫が見つけにくいのです。そこで周囲の大きな装飾花が看板の役割を果たし、虫を呼び寄せて受粉を助けています。一見ムダに見える派手な花にも、ちゃんと役割があるのです。

額紫陽花と本紫陽花(手まり咲き)の違い

一般的な手まり状の紫陽花は「本紫陽花(ホンアジサイ)」や「セイヨウアジサイ」と呼ばれ、花のすべてが装飾花になっています。中心の両性花が装飾花に置き換わるように改良された結果、丸くボリュームのある姿になりました。

一方の額紫陽花は、中心の両性花と周囲の装飾花がはっきり分かれているのが特徴です。つまり、額紫陽花が原種、手まり咲きが園芸改良種という関係になります。花の中心を見て、つぶつぶの本当の花が残っていれば額紫陽花、すべてが花びら状なら手まり咲き、と見分けられます。

主な紫陽花の種類

紫陽花にはたくさんの種類があります。代表的なものを見ていきましょう。

ガクアジサイ

日本原産の原種。額縁状に咲く、すっきりとした和の姿が魅力です。園芸品種の「隅田の花火(すみだのはなび)」は、八重の装飾花が放射状に咲き、打ち上げ花火のように見える人気品種です。

ホンアジサイ(セイヨウアジサイ)

すべてが装飾花になった手まり咲き。花壇や鉢植えで最もよく見かけるタイプで、青やピンクの大輪が華やかです。

柏葉紫陽花(カシワバアジサイ)

北アメリカ原産で、葉が柏(かしわ)の葉のように切れ込むのが名前の由来。花は円錐形に房状に咲き上がり、秋には葉が赤く紅葉します。育て方は 紫陽花の剪定 のページもあわせてご覧ください。

アナベル

北アメリカ原産の白い大輪種。咲き始めは淡い緑、満開で純白になり、終わりにかけて再び緑がかります。新しい枝に花が咲くため剪定しやすく、初心者にも育てやすい品種です。

ヤマアジサイ

日本の山地に自生する小型種。野趣あふれる素朴な姿で、鉢植えでもコンパクトに育てやすい品種です。「紅(くれない)」のように、咲き進むと白から赤へ色づく品種もあります。額紫陽花(ガクアジサイ)とよく似た咲き方をしますが、ヤマアジサイのほうが全体に小ぶりで葉も薄く、山野草らしい繊細さがあります。

そのほかの人気品種

八重咲きで愛らしい「ダンスパーティー」、葉が縮れた独特の姿の「ウズアジサイ(おたふく)」など、額紫陽花やヤマアジサイをもとにした園芸品種は数多くあります。珍しい紫陽花を探すのも、この花の楽しみのひとつです。

額紫陽花の見頃と季節

額紫陽花の見頃は、本紫陽花とほぼ同じ6月〜7月上旬の梅雨どきです。雨のしずくをまとった額紫陽花は、清楚で写真映えする被写体としても人気があります。中心の両性花が開くと、額縁の中に小さな星をちりばめたような表情になり、咲き始めと満開で違った美しさを楽しめます。

額紫陽花の育て方の基本

額紫陽花は丈夫で、初心者でも育てやすい花です。日当たりは半日陰が最適で、強い西日が当たる場所は葉焼けや花色のあせる原因になるため避けます。乾燥に弱いので、夏は土の表面が乾いたらたっぷり水を与えましょう。特に鉢植えは水切れしやすいため、真夏は朝と夕方の2回の水やりが安心です。鉢植えなら、花の色が長くきれいに保てる明るい日陰に置くのがおすすめです。

地植えの場合は、一度根づけばほとんど水やりの手間がかからず、年々大きく育ちます。植える場所は、午前中は日が当たり午後は日陰になるような東側がおすすめです。花の色を青く保ちたいなら酸性の土に、ピンクにしたいなら中性〜アルカリ性の土に植えると、好みの色合いに近づけられます。

毎年きれいに咲かせるには、花が終わったあとの剪定が欠かせません。額紫陽花は前年の枝に花芽をつける「旧枝咲き」なので、剪定は花後すぐに行います。詳しい時期と切る場所は 紫陽花の剪定 のページで解説しています。

額紫陽花の花言葉

額紫陽花の花言葉は、紫陽花全体と同じく「移り気」「辛抱強い愛情」「謙虚」などが当てはまります。中心の花を控えめに引き立てる装飾花の姿から、「謙虚」の意味が加えられることもあります。色によって意味が変わる点も同じで、色別の詳しい意味は 紫陽花の花言葉|色別の意味 のページで解説しています。

額紫陽花に関するよくある疑問

額紫陽花と本紫陽花、どちらが育てやすい?

どちらも丈夫ですが、額紫陽花は原種に近いぶん、暑さや病気にやや強い傾向があります。すっきりとした和の姿が好みなら額紫陽花、ボリュームのある華やかさが好みなら本紫陽花、と選ぶとよいでしょう。鉢植えで省スペースに楽しみたい場合は、小型のヤマアジサイもおすすめです。

装飾花が散ったあとの中心の花はどうなる?

中心の両性花が受粉すると、やがて小さな実をつけます。観賞用には実は不要なので、花が終わったら剪定して翌年に備えます。装飾花は咲き終わると裏返り、色あせていきます。この「装飾花が裏返る」のが、剪定の時期を知らせるサインにもなります。

額紫陽花はどこで見られる?

関東では房総半島や伊豆諸島の海岸沿いが自生地として有名です。各地のあじさい寺や植物園でも、園芸品種の額紫陽花が数多く植えられており、梅雨どきの名所めぐりで楽しめます。

額紫陽花の写真をダウンロード

下のダウンロードボタンから画像を取得できます。ユーザー登録の必要はありません。

紫陽花をもっと楽しむ

タイトルとURLをコピーしました