ノースポールの育て方|こぼれ種で増えすぎない剪定と種まきの時期|active moment

ノースポールは、冬から春にかけて白い小さな花を株いっぱいに咲かせる、キク科の一年草です。丈夫で手がかからず、園芸を始める最初の一鉢としてよく選ばれます。

ただ、実際に庭や花壇で育ててみると、つまずくのは「育てにくさ」ではありません。手をかけないと枯れる花ではなく、手をかけないと増えていく花です。当サイトでも、一度植えた株がこぼれ種で毎年顔を出し、増えすぎないように切る作業のほうが手間になっています。

この記事では、種まきから切り戻しまでの基本にくわえて、増えすぎたときにどうするか、近づくと匂いがあることまで、実際に育てて分かったことを整理します。

この記事に使っている写真は、すべて自社で撮影したものです。

目次

ノースポールとは|特徴と栽培カレンダー

ノースポールはキク科の草花で、学名は Leucanthemum paludosum。和名はノースポールギクといい、園芸店では「クリサンセマム」の名前で並ぶこともあります。ノースポール(北極)という名前は、株が白い花で覆われる様子を雪原に見立てたものとされています。

草丈は20〜30cmほど。花は直径3〜4cmで、中心が黄色、花びらが白。つぼみが次々に上がるため、開花期は12月ごろから5月ごろまでと長く続きます。花の少ない冬に咲くことが、この花がガーデニングの定番になっている理由です。

開花期は12〜5月ごろ/草丈20〜30cm/花径3〜4cm。いずれも地域と植えた時期で前後します。

時期作業と状態
9月下旬〜10月種まき
10月〜12月苗の植え付け
12月〜5月開花
2月〜4月切り戻し
5月〜6月種を採る/こぼれ種が落ちる
6月〜7月高温多湿で枯れる

一年草なのか、多年草なのか

分類のうえでは多年草として扱われることもありますが、日本の平地では夏の高温多湿に耐えられず枯れるため、一年草として扱うのが実際的です。「多年草なのに枯れた」と感じたときは、育て方の失敗ではなく、この性質によるものと考えて構いません。

なお、この花の花言葉については〈ノースポールの花言葉〉に、マーガレットやデイジーとの見分け方は〈マーガレットとデイジーの違い〉にまとめています。

種まきと苗の植え付け

種まきの時期と方法

種まきは9月下旬から10月ごろ。20度前後で発芽しやすいとされ、暑さが残るうちにまくと発芽がそろいません。種は細かいので、ばらまきにして土を薄くかぶせる程度にします。覆土が厚いと発芽しにくくなります。

発芽までは土を乾かさないように管理し、本葉が4〜5枚になったら植え付けます。

種まきの適期は9月下旬〜10月。11月に入ってからまくと、開花が春までずれ込みます。

苗の選び方

10月から12月ごろ、園芸店にポット苗が並びます。茎が間延びしておらず、株元が詰まっているものを選ぶと、そのあとよく茂ります。つぼみの数より、葉の色が濃く密であることを見てください。

地植えの植え付け

日当たりと風通しのよい場所を選びます。株は横に広がるので、20〜25cmほど間隔をあけて植えます。詰めて植えると、育ったころに株の中心が蒸れます。

プランター・鉢植えの植え付け

土は選びません。市販の草花用培養土でそのまま育ちます。65cmの標準プランターなら3株が目安。鉢植えなら5号鉢に1株です。

日常の手入れ

置き場所と日当たり

日当たりのよい場所に置きます。日照が足りないと茎が間延びし、花付きも落ちます。寒さには比較的強く、暖地であれば霜の当たる場所でも冬を越しますが、寒風が続けて当たる場所は避けたほうが安全です。

水やり

地植えなら、根付いたあとの水やりはほとんど要りません。鉢植えは、土の表面が乾いてからたっぷりと与えます。冬は土の乾きが遅いため、湿ったまま水を与え続けると根が傷みます。

肥料

植え付けのときに元肥を入れ、花が続く1月から4月ごろに追肥を月1〜2回。ただし肥料が多いと葉ばかり茂って花が減ります。咲かないときは、まず肥料をやりすぎていないかを疑ってください。

用土

水はけがよければ土質は問いません。地植えで土が重いときだけ、腐葉土を混ぜて水はけを整えます。培養土や道具のそろえ方は〈花の育て方に必要なもの|道具・培養土・肥料ガイド〉にまとめているので、あわせてどうぞ。

花がら摘みと切り戻し

花がら摘み

咲き終わった花を摘むと、次のつぼみが上がりやすくなります。摘まずに置くと株が種を作りはじめ、そこで花が止まります。花の期間を長くしたいなら、この作業がいちばん効きます。

摘心(早いうちに先端を止める)

植え付けから根付くまでのあいだに、伸びた茎の先端を摘んでおくと、わき芽が増えて株が横に張ります。丸くこんもりした形にしたいときは、この作業をしておくと仕上がりが変わります。つぼみが上がりはじめてからでは遅いので、摘心をするなら、植え付け直後から11月ごろまでのあいだに行います。

切り戻しの時期と方法

2月から4月ごろ、株が伸びて中心が空いてきたら、全体の3分の1ほどを切り戻します。切ったあと2〜3週間で新しい芽が伸び、また丸くまとまって咲きはじめます。

切りどきの目安は3つ。株の中心が透けて見えてきた/茎が倒れはじめた/花が小さくなった。どれかが出たら切り戻します。

こぼれ種で毎年増える|増えすぎを防ぐ切り方

ここが、ノースポールを庭に植えたときにいちばん多い悩みです。育て方の解説では「丈夫で育てやすい」で終わることが多いのですが、実際に何年か育てると、話は逆になります。

こぼれ種で増える仕組み

花が終わると種ができ、乾いて地面に落ちます。落ちた種はそのまま夏を越し、秋になると自然に芽を出します。一年草でありながら、植えた場所の周りで毎年咲き続けるのはこのためです。

当サイトでも、一度植えたノースポールが毎年こぼれ種で出てきます。植え直さなくても咲いてくれる一方で、実際に手をかけているのは「育てる作業」ではなく「増えすぎないように切る作業」のほうです。

株いっぱいに白い花を咲かせたノースポール

増えすぎたときの対処

増やしたくないなら、種ができる前に切るのがいちばん確実です。花が茶色くなりはじめたら、その枝ごと切り取ります。つまり、花がらを摘む作業がそのまま増えすぎ対策になります。

すでに芽が出てしまった場合は、秋のうちに間引きます。本葉が出た小さいうちなら手で抜けます。春まで置くと根が張り、抜くときに周りの株まで動かしてしまいます。

避けたいのは、咲き終わった株をそのまま初夏まで置くことです。種が落ちきってから株を抜いても、翌年芽が出るのは止められません。切るのは、枯れてからではなく花が茶色くなりはじめたときです。

種を採って、まく場所を決める

落ちる場所を自分で決めたいなら、種を採ってしまうのが早道です。花が終わって花の中心が茶色く乾いたころ、花首から切り取って紙袋に入れ、風通しのよい日陰で乾かします。振るとこぼれる状態になったら、ふるいにかけてごみを落とします。

採った種は、封筒などに入れて涼しい場所で保管し、秋にまきます。種を採ることは、そのまま「増えすぎを防ぐこと」でもあります。株から種を取り上げてしまえば、地面に落ちる分が減るからです。

植えっぱなしにしてよいか

毎年同じ場所を白い花で埋めたいなら、植えっぱなしで問題ありません。むしろ手間がかかりません。

一方で、花壇の構成を毎年変えたい場合や、他の花と場所を分けたい場合には向きません。種の落ちる範囲は、植えた場所の外にも及びます。

増やしたいなら花を残す。増やしたくないなら、花が茶色くなる前に切る。この一点だけで、翌年の花壇の姿が変わります。

育てる前に知っておきたいこと

近づくと匂いがある

ノースポールはキク科の植物で、葉と茎に独特の匂いがあります。離れて眺めるぶんには気になりませんが、近づくとはっきり匂います。手入れで葉に触れたあとは、手にも残ります。

庭の一角や花壇の縁であれば、まず問題になりません。玄関先やベランダなど、顔を近づける距離に置くかどうかは、実物を確かめてから決めるほうが安全です。

葉の様子

葉は濃い緑で、細かく切れ込んだ形をしています。地面をはうように広がり、茎は横に伸びてから立ち上がります。冬でも葉が枯れずに残るので、花の少ない時期でも花壇が寂しくなりません。

夏には枯れる

高温多湿に弱く、梅雨から夏にかけて枯れます。夏越しはできないものと考えて構いません。花が終わったあとに株が傷んでも、育て方の失敗ではありません。

病害虫と、枯れる原因

つきやすいのはアブラムシです。春に暖かくなると新芽に集まります。数が少ないうちに取り除くか、草花用の薬剤で対処します。

湿度の高い時期には灰色かび病が出ることがあります。花や葉に灰色のかびが広がり、そこから傷んでいきます。枯れた花や葉を株元に残さず、風通しをよくしておくことが予防になります。株を詰めて植えていると、この病気は出やすくなります。

枯れる原因で多いのは、水のやりすぎ、株を詰めて植えたことによる蒸れ、そして夏の高温の3つです。はじめの2つは、植え方と水やりで防げます。

寄せ植えと、冬の花壇づくり

花の少ない冬に白い花を咲かせるので、寄せ植えでは明るい面をつくる役に向きます。パンジーやビオラ、葉牡丹、プリムラなど、同じ時期に咲く花と合わせやすい組み合わせです。

株が横に広がるため、鉢の縁側に置くと全体の形がまとまります。中央に背の高い花を、縁にノースポールを。色を足すというより、他の色を引き立てる白として使うと収まりがよくなります。

冬の花壇に植えられたノースポール

まとめと、次の一歩

ノースポールは、種まきなら9月下旬から10月、苗なら10月から12月。日当たりのよい場所に20〜25cm間隔で植え、冬の水のやりすぎだけ避ければ、春まで咲き続けます。

そして、いちばん覚えておきたいのは最後のひと手間です。花が茶色くなる前に切れば増えず、残せば来年も咲く。この花との付き合い方は、そこで決まります。

冬の花壇に、白がひとつあるだけで景色が変わります。来年の秋、こぼれ種の小さな芽を見つけたときに、この記事を思い出してもらえたらうれしいです。

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この記事を書いた人

ActivePhotoStyleは、株式会社アクトプラザが運営する写真素材+コンテンツメディアです。2007年から19年にわたり、すべての写真は自社撮影、記事は実訪問・実取材に基づいて作成しています。

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