ベゴニアの育て方|夏越しと冬越し・切り戻し・挿し木で失敗しないコツ|active moment

ベゴニアは、春から秋まで長く花を咲かせる草花です。半日陰でもよく育ち、花壇でも鉢でも扱えるため、ガーデニングの入門にもよく選ばれます。

ただしベゴニアには、ほかの草花にはない落とし穴があります。「ベゴニア」と呼ばれる植物は世界に2,000種以上あり、系統によって育て方がまるで違うのです。花壇の四季咲きベゴニアと、鉢花の球根ベゴニアを同じように扱えば、どちらかは必ずうまくいきません。

この記事では、まず系統の見分け方を整理したうえで、花壇や鉢でもっともよく育てられる四季咲きベゴニア(センパフローレンス)を中心に、置き場所から夏越し・冬越し・増やし方までを順番に解説します。

目次

ベゴニアとはどんな植物か

基本情報

項目 内容
和名 ベゴニア
学名 Begonia
科名 シュウカイドウ科シュウカイドウ属
原産地 熱帯・亜熱帯(アジア・アフリカ・中南米)
分類 非耐寒性の多年草
開花時期 4月〜11月(系統による)
草丈 10cm〜1m(系統による)
花色 赤・ピンク・白・オレンジ・黄

多年草なのに一年草として扱われる理由

ベゴニアは本来、何年も育つ多年草です。それでも園芸店では春に苗が並び、秋には姿を消します。理由は単純で、霜に当たると枯れてしまうからです。

日本の屋外では冬を越せない地域が多いため、一年草のように植え替えて楽しむ使い方が定着しました。とはいえ株そのものが寒さで傷むだけなので、冬に室内へ取り込めば翌年も咲かせられます。この記事の冬越しの節で扱います。

ベゴニアの種類と育て方の違い

ベゴニアを育てるうえで、最初にやるべきなのは「自分の株がどの系統か」を知ることです。ここを飛ばすと、あとの手入れがすべてずれます。

系統 特徴 気をつける点
四季咲きベゴニア
(センパフローレンス)
花壇苗の定番。草丈20〜30cm。春から秋まで咲き続ける 蒸れに弱い。もっとも育てやすい
木立性ベゴニア 茎がまっすぐ立ち上がる。葉に斑が入る品種が人気 室内向き。伸びすぎたら切り戻す
根茎性ベゴニア
(レックスベゴニア)
葉の模様を観賞する。花は目立たない 直射日光で葉が傷む
球根ベゴニア 大輪で豪華。バラのような花形 暑さに弱く、夏越しが難しい
エラチオールベゴニア
(リーガースベゴニア)
ギフト用の鉢花。花もちがよい 高温多湿にも寒さにも弱い

この記事の対象:以下の解説は四季咲きベゴニア(センパフローレンス)を基準にしています。花壇やプランターで育てるベゴニアの多くはこの系統です。球根ベゴニアやリーガースベゴニアは性質が大きく異なるため、購入時のラベルで系統を確認してください。

置き場所 ─ 日なたと半日陰の使い分け

「日陰でも育つ」は半分だけ正しい

ベゴニアは日陰に強い花として紹介されることが多いのですが、正確には直射日光の強すぎる場所が苦手というだけで、光そのものは必要です。暗すぎる場所では茎が間のびし、花つきも落ちます。

もっとも安定するのは午前中に日が当たり、午後は日陰になる場所です。真夏の西日は葉を焼くため、夏だけ日よけをするか、鉢なら移動させます。

風通しを最優先に考える

置き場所を決めるとき、日当たりと同じくらい大事なのが風通しです。ベゴニアは茎にも葉にも水分を多く含んでおり、空気がよどむ場所では株元から傷みます。壁ぎわに詰めて植えるより、少し離して風の通り道を作るほうが結果的によく育ちます。

植え付けと用土

植え付けの時期

霜の心配がなくなる4月下旬から6月ごろが適期です。気温が十分に上がってから植えると根の張りが早く、その後の生育が安定します。秋に植える場合は、寒くなる前に根づかせる必要があるため9月中を目安にします。

苗はポットの土が乾ききっていないもの、茎が間のびしていないものを選びます。花がたくさんついた株より、つぼみが多く残っている株のほうが、植えたあとに長く楽しめます。

用土は水はけを最優先にする

ベゴニアの用土でいちばん大切なのは水はけです。鉢植えなら市販の草花用培養土をそのまま使えます。花壇では、植え付けの2週間ほど前に腐葉土を混ぜて耕しておくと、水がたまりにくくなります。

粘土質で水がひきにくい場所は、少し土を盛って高くしてから植えると根腐れを避けられます。

鉢のサイズは5〜6号が扱いやすい

鉢植えにするなら、直径15〜18cmほどの5〜6号鉢が扱いやすいサイズです。四季咲きベゴニアは根がそれほど深く張らないため、大きすぎる鉢は土がいつまでも乾かず、かえって根を傷めます。受け皿を使う場合は、たまった水をそのままにしないでください。

株間は詰めすぎない

株間は20〜25cmほど空けます。植えた直後はすき間が目立ちますが、四季咲きベゴニアは横に広がるので、夏には十分埋まります。詰めて植えると風が通らず、梅雨どきに一気に傷みます。

水やりと肥料

水やりは「乾いてから」が基本

土の表面が乾いたら、鉢底から流れ出るまでたっぷり与えます。常に湿った状態が続くほうが危険で、根腐れの原因になります。葉や茎が多肉質で水分を蓄えているため、多少乾いても株はもちこたえます。

花壇に植えた株は、根づいたあとは雨だけでもおおむね育ちます。夏に何日も晴天が続いたときだけ補います。

肥料は元肥と開花期の追肥

植え付けのときに緩効性肥料を土に混ぜておけば、しばらくは追肥なしで育ちます。

長く咲かせたい場合は、開花期に薄めた液体肥料を月に2回ほど加えます。ただし与えすぎると葉ばかり茂って花が減るため、規定より薄めに使うくらいがちょうどよいでしょう。

花がら摘みと切り戻し

花がらはこまめに取る

咲き終わった花をそのままにしておくと、雨に濡れて腐り、そこから茎まで傷むことがあります。ベゴニアは花びらが薄く水を含みやすいので、ほかの草花よりこの点に気をつけてください。指でつまんで軽く引けば取れます。

切り戻しは梅雨前と真夏の2回

切り戻しの目安:株全体の高さを3分の1から半分ほどまで切り詰めます。思い切って切るほど、そのあとの枝数が増えて株がこんもりまとまります。切る位置は葉の付け根のすぐ上です。

1回目は梅雨に入る前です。伸びた茎を整理して風を通しておくと、長雨のあいだの蒸れをかなり防げます。2回目は真夏、花が減って姿が乱れてきたころ。ここで切り戻すと、秋にもう一度きれいに咲きそろいます。

夏越し ─ ベゴニアが夏に弱る本当の理由

敵は「暑さ」ではなく「蒸れ」

四季咲きベゴニアは暑さそのものにはよく耐えます。それでも真夏に弱る株が多いのは、高温と多湿が重なって株元がむれるからです。原因が暑さだと思って日陰に移すと、かえって風が通らず悪化することがあります。

夏越しの3つの手当て

ひとつめは切り戻しです。茂りすぎた枝を減らすことが、いちばん効果のあるむれ対策になります。

ふたつめは水やりの時間帯です。日中の暑い時間に与えると土の中が蒸れます。朝の早い時間か、夕方涼しくなってからにします。

みっつめは敷きわらやマルチングです。花壇なら株元を覆って地温の上昇をやわらげます。ただし株元に密着させると逆効果なので、少し離して敷きます。

冬越し

目安は最低気温10℃

ベゴニアは最低気温がおおむね10℃を下回るころから動きが鈍くなり、霜に当たると枯れます。鉢植えであれば、この時期に室内へ取り込みます。

室内での管理

取り込む前に切り戻して株を小さくしておくと、置き場所に困りません。室内では明るい窓辺に置き、水やりは屋外にいたときよりぐっと減らします。生育が止まっているので、土が乾いてから数日おいて与えるくらいで十分です。

暖房の風が直接当たる場所は乾燥しすぎるため避けてください。

屋外で冬を越せるかは地域によります

暖地では屋外でも越冬したという例がありますが、同じ地域でも植えた場所の条件で結果が変わります。軒下か吹きさらしか、地面が乾いているか湿っているかで大きく違うため、確実に残したい株は室内へ入れるのが安全です。

ベゴニアの増やし方

挿し木(挿し芽)がいちばん確実

ベゴニアは挿し木で簡単に増やせます。適期は5月〜6月と9月。真夏と真冬は避けます。

元気な茎を7〜10cmほど切り取り、下のほうの葉を落として、葉を2〜3枚だけ残します。切り口を30分ほど水につけてから、湿らせた清潔な用土に挿します。根が出るまでは直射日光を避け、土を乾かさないように管理すると、2〜3週間で発根します。

水に挿して発根させる方法

切った茎をそのまま水に挿しておいても根が出ます。透明な容器を使えば発根の様子が見えるので、初めての方にはこちらのほうが分かりやすいでしょう。水は2日に1度は替えてください。

根が2〜3cmになったら土に植え替えます。水中で伸びた根は土に慣れるまで時間がかかるため、植え替え直後はとくに乾かさないように気をつけます。

葉挿しと種まき

レックスベゴニアなど葉の大きい系統は、葉を切って挿す「葉挿し」でも増やせます。四季咲きベゴニアでは茎を使う挿し木のほうが確実です。

種からも育てられますが、ベゴニアの種は粉のように細かく、発芽させるには一定の温度と湿度を保つ必要があります。数株ほしいだけなら、苗を買うか挿し木で増やすほうが手間がかかりません。

枯れそうなときの見分け方と手当て

茎が透きとおって倒れる ─ 水のやりすぎ

株元の茎が水っぽく透明になり、ぐにゃりと倒れていたら過湿による根腐れです。ベゴニアの不調でもっとも多い症状です。傷んだ部分を切り取り、水やりを止めて土を乾かします。鉢なら風通しのよい日陰へ移します。

葉が黄色くなる

下の葉から順に黄色くなるのは、株が古くなったか根詰まりの合図です。鉢底から根が出ていれば、ひと回り大きな鉢に植え替えます。一方、新しい葉まで黄色い場合は水のやりすぎか肥料切れのどちらかで、土の状態を見て判断します。

復活できるかの見きわめ

茎を折ってみて中がまだ緑で張りがあれば、切り戻して立て直せる可能性があります。茶色く乾いていたり、株元がぐらついて簡単に抜けたりする場合は根がすでに失われています。その株から挿し木用の枝を取れないか探すほうが現実的です。

病害虫

うどんこ病と灰色かび病

葉が白い粉をふいたようになるのがうどんこ病、花や葉が灰色にカビるのが灰色かび病です。どちらも風通しの悪さと過湿が引き金になります。傷んだ部分は早めに取り除き、株のまわりに空気が動くようにします。

アブラムシ・ハダニ・ヨトウムシ

新芽にはアブラムシ、乾燥した時期には葉裏にハダニがつきます。数が少ないうちは手で取り除けます。ハダニは葉裏に時々水をかけることが予防になります。

薬剤を使う場合は、対象の植物と害虫が適用範囲に含まれているか、必ず製品ラベルを確認してから使用してください。

シュウカイドウとベゴニアの違い

シュウカイドウもベゴニアの仲間です

秋に淡いピンクの花を咲かせるシュウカイドウ(秋海棠)は、別の植物のように扱われることがありますが、分類上はベゴニア属の一種です。ベゴニアの科名が「シュウカイドウ科」なのはそのためです。

見分け方

項目 シュウカイドウ 四季咲きベゴニア
咲く時期 夏の終わりから秋 春から秋まで長く
寒さ 地下部が残り毎年芽を出す 霜で枯れる
草丈 50cm前後 20〜30cm
葉の形 大きく左右で非対称。先がとがる 丸みがあり厚い
植えられ方 日陰の庭や林のふち 花壇・プランター

日陰の庭で毎年同じ場所から出てくるベゴニアらしい花があれば、シュウカイドウの可能性が高いといえます。

また、丸い葉を茂らせる姿が似ていることから混同されやすいゼラニウム(ペラルゴニウム)とベゴニアの違いは、次のページで表にまとめています。

ペラルゴニウムとは|ゼラニウム・ベゴニアとの違いと育て方

ベゴニアの栽培カレンダー

作業 時期
植え付け 4月下旬〜6月/9月
開花 4月〜11月
切り戻し(1回目) 6月上旬(梅雨前)
切り戻し(2回目) 8月
挿し木 5月〜6月/9月
室内へ取り込み 10月下旬〜11月

ベゴニアの無料写真

掲載している写真は、2014年6月に当サイトが撮影したものです。四季咲きベゴニアを寄せ植えのアクセントとして使い、室内で撮影しました。赤みの強い花色は、緑の多い寄せ植えのなかで一点だけ差し色にすると全体が引き締まります

個人利用・商用利用とも無料でご利用いただけます。ユーザー登録や著作権表記は必要ありません。

よくある質問

地植えでも育てられますか

育てられます。むしろ根が広く張れるぶん、鉢植えより水やりの手間が減ります。ただし水はけの悪い場所では根腐れしやすいので、土を盛って高くしてから植えてください。

水耕栽培はできますか

挿し木の茎を水に挿しておけば、そのまましばらく育ちます。ただし水だけで長く花を咲かせ続けるのは難しいため、発根させるまでの一時的な方法と考えて、根が伸びたら土に植えるのがおすすめです。

花壇ではどう配置するときれいに見えますか

四季咲きベゴニアは草丈がそろいやすいので、同じ色をまとめて数株ずつ並べると面としてまとまります。一株ずつ色を混ぜると散らかった印象になりがちです。花壇の縁に沿って帯状に植える使い方も向いています。

寄せ植えに向く花はありますか

ベゴニアと同じく半日陰と水はけを好む草花が合わせやすく、草丈の違うものを組み合わせると立体感が出ます。植え込むときは株間を詰めすぎないでください。ベゴニアはむれに弱いため、寄せ植えでは風の通りがそのまま生育に出ます。

まとめ

ベゴニアを育てるうえで押さえるポイントは3つです。系統を確かめる・水はけと風通しを確保する・梅雨前と真夏に切り戻す。この3点を守れば、春から秋まで手のかからない花として長く楽しめます。

枯れる原因のほとんどは水のやりすぎとむれで、日照不足や肥料切れが理由になることはあまりありません。「足りない」より「多すぎる」を疑うほうが、たいてい当たります。

ベゴニアの花言葉と誕生花

花言葉一覧

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この記事を書いた人

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