ハイビスカスの育て方|冬越し・剪定・鉢植えの管理を解説|active moment

大きな花びらを広げ、夏の日ざしのなかでも色あせないハイビスカス。鉢がひとつあるだけで、ベランダの空気が変わります。

ただ、育てはじめると迷います。どこで切るのか。つぼみが落ちるのはなぜか。そして何より、冬をどう越すのか

この記事では鉢植えを中心に、植えつけから剪定、冬越し、トラブルの見分け方までをまとめました。当サイトで撮影した写真とあわせてご覧ください。

ハイビスカスの花
ハイビスカス。花の中心から長い雌しべが突き出すのが、アオイ科に共通する姿
目次

ハイビスカスの基本データと栽培カレンダー

育てるうえで押さえたい性質を一覧にします。

学名Hibiscus
科名アオイ科フヨウ属
日本での扱い非耐寒性の常緑低木(木本)
樹高鉢植えで30cm〜1.5mほど
開花期5月〜10月ごろ
日照日なた(真夏は明るい日陰へ)
耐暑性/耐寒性強い/弱い(最低5℃、できれば10℃以上)
置き場所春〜秋は屋外、冬は室内が基本

大事なのは、ハイビスカスが草花ではなく木(花木)だという点です。冬を越せば来年も同じ株が咲くため、冬の扱いが育て方の中心になります。

一年の作業を時期順に並べると次のようになります。地域や気候で前後するので目安としてお使いください。

時期作業
4〜5月苗の購入/植えつけ・植え替え/元肥
5〜10月開花/花がら摘み/追肥/水やり
6月ごろ軽い剪定(枝を整える)/挿し木
7〜8月真夏は明るい日陰へ移す/水切れに注意
9〜10月秋の花/追肥は10月ごろまで
10月下旬〜11月切り戻して室内へ取り込む
12〜3月室内で越冬/水やりを控えめに

ポイントは、10月下旬から11月にかけての取り込みです。ここを逃すかどうかで、翌年また咲くかが決まります。

苗の選び方と植えつけ|鉢植えと地植えの違い

よい苗の見分け方

園芸店には春から夏にかけて苗が並びます。選ぶときは次の3点を見てください。

  • 葉が濃い緑で、下葉が黄色くなっていない(下葉の黄変は根が傷んでいるサイン)
  • 茎が太く、節と節の間が詰まっている(間延びした苗は日照不足で育っている)
  • つぼみが多い(満開の株より、これから咲く株のほうが長く楽しめる)

ハイビスカスの花は一輪の寿命が一日です。買ったときに咲いていた花は夕方にはしぼむので、つぼみの数で選ぶほうが長く楽しめます。

植えつけの時期と鉢のサイズ

適期は4月から5月。遅霜のおそれがなくなり、最低気温が10℃を安定して上回るころです。寒いうちに植えても根が動きません。

鉢は購入時のポットよりひとまわりから二まわり大きいものを。直径15cmほどの苗なら7〜8号鉢が目安です。大きすぎる鉢は土が乾きにくく、根が傷みます。

用土は、水はけのよいものを使います。市販の草花用培養土でかまいません。自分で配合するなら、赤玉土(小粒)6に腐葉土3、川砂やパーライト1が目安です。

鉢底石を敷き、根鉢は崩さずにそのまま植えます。直後にたっぷり水を与え、数日は直射日光を避けて落ち着かせてください。

地植えにできるか

結論から言うと、多くの地域では鉢植えが基本です。ハイビスカスは霜に当たると枯れるため、冬に0℃を下回る地域では地植えのまま越冬できません。

沖縄や、霜の降りない温暖な海沿いでは地植えで越冬している株も見かけます。ただし同じ市内でも風や建物の影で条件が変わるため、「この地域なら大丈夫」と一律には言えません

地植えを試すなら、保険を用意してから
夏のあいだに挿し木で予備の苗をつくり、鉢で室内越冬させておくと安心です。地植えの成否は数年に一度の寒波で決まるため、一冬越せたからといって安全とは限りません。

置き場所と日当たり

基本は日なたです。日照が足りないと、つぼみが上がらないか、上がっても開かずに落ちます。1日5時間以上は日が当たる場所を選んでください。

ただし真夏の照り返しは株を消耗させます。7月から8月は午後に日陰になる場所へ鉢を移すと花つきが落ちません。コンクリートへの直置きは鉢内が高温になるので、レンガやスタンドで底面を浮かせてください。

系統でも好みが分かれます。大輪のハワイアン系は高温にやや弱く、小輪のコーラル系や古くからのオールド系は比較的丈夫です。系統ごとの特徴はハイビスカスの花言葉|色別の意味・誕生花・沖縄やハワイの文化にまとめてあります。

水やり

鉢植えは、表土が乾いたら鉢底から流れ出るまでたっぷり。これが基本です。

ハイビスカスは葉が大きく、夏はよく水を吸います。真夏の晴天が続く時期は、朝夕2回必要になる日もあります。水切れさせると、つぼみが落ちます。一度落ちたつぼみは戻りません。

一方、受け皿に水をためたままにするのは避けてください。根が常に濡れていると傷み、かえって水を吸えなくなります。

肥料|置き肥と液体肥料の使い分け

ハイビスカスは次から次へと花を咲かせるため、肥料をよく必要とします。切らすと花が小さくなり、やがて咲かなくなります。

植えつけ時に緩効性化成肥料を元肥として混ぜ込み、その後は生育期のあいだ1〜2か月に1回、株元に置き肥をします。

そのうえで、5月から10月の開花期には液体肥料を10日から2週間に1回。規定倍率を守り、間隔を空けずに続けるのがコツです。

肥料をやめる時期を決めておく
追肥は10月ごろで打ち切ります。秋も遅くまで肥料を効かせると、新芽がやわらかいまま寒さを迎えることになり、株が傷みやすくなります。冬のあいだは施肥をしません。再開は春、新芽が動きはじめてからです。

剪定と花がら摘み

花がら摘み|咲き終わった花は取る

しぼんだ花は、花のつけ根から手で摘み取ります。落ちた花が葉や土の上で腐ると病気のもとになるためです。一日でしぼむ花なので、咲いている時期は毎日の習慣になります。

どこを切るか

ハイビスカスはその年に伸びた新しい枝の先に花をつけます。だから切ることは、花を減らす作業ではなく、次の花を出させる作業です。ここを押さえておくと、思い切って切れるようになります。

切る位置は、枝についている葉の少し上。切り口のすぐ下に葉が残っていれば、そのつけ根から新しい芽が動きます。葉のない部分まで深く切り戻すと、芽が出てくるまで時間がかかります。

時期は6月ごろが扱いやすいタイミングです。伸びすぎた枝、内側に向かって混み合った枝、細く弱い枝を整理します。切ってから新しい枝が伸びて花をつけるまで1か月ほどかかるので、夏の盛りに間に合わせるならこの時期です。

枝はやわらかくないので、手ではなくよく切れるはさみを使ってください。切り口が潰れると、そこから傷みます。

なお、株全体を大きく刈り込む強い剪定は、冬越しの直前に行います。次の章で説明します。

ハイビスカスの冬越し|取り込む時期と室内での管理

ここが、ハイビスカスを育てるうえでいちばんの山場です。翌年また咲かせられるかどうかは、この時期の判断でほぼ決まります

取り込む時期は「最低気温10℃」が目安

ハイビスカスが枯れはじめるのは、おおむね5℃を下回ったころです。ただし5℃まで待つと手遅れになります。

目安は最低気温が10℃を下回りはじめたら取り込む。多くの地域で10月下旬から11月上旬にあたります。天気予報の最低気温を見ながら、余裕をもって動いてください。

「まだ咲いているから」と外に置き続けて、一晩の冷え込みで葉を落としてしまうのがよくある失敗です。花を惜しむより、株を残すほうを優先します。

取り込む前に切り戻す

そのまま室内に入れると場所を取り、風通しも悪くなります。取り込む前に、全体の3分の1から半分ほどの高さまで切り戻しておきます。

切り戻すと、株が冬に維持しなければならない葉の量が減ります。冬は光も温度も足りないので、葉が多いほど株の負担になるのです。枝は葉を数枚残して切り、残った葉が極端に少なくならないようにします。

あわせて、室内に入れる前に害虫を落としておくことをおすすめします。葉裏についたハダニやカイガラムシを室内に持ち込むと、暖かい部屋で越冬して春に一気に増えます。取り込む数日前に葉裏までよく水をかけ、必要なら薬剤で対処してから入れてください。

室内での置き場所と水やり

置き場所は日の差す窓辺。最低でも5℃、できれば10℃以上を保てる部屋がのぞましいです。暗い場所に置くと葉を落とします。

ただし窓辺は、夜になると外気に近い温度まで下がります。冷え込む晩は、鉢を窓から少し離すか、カーテンの内側へ移してください。エアコンの風が直接あたる場所も、葉が乾いて落ちる原因になります。

水やりは大幅に減らします。冬のハイビスカスはほとんど成長しないため、夏と同じ感覚で与えると根が傷みます。土が乾いてから2〜3日おいて、日中の暖かい時間帯に与えるくらいで十分です。肥料は与えません。

冬に葉が落ちても、すぐにあきらめない
室内でも葉がほとんど落ちてしまうことがあります。ただ、枝を軽く曲げてみてしなやかで緑色が残っていれば、株は生きています。この場合は水やりをさらに控えめにして春を待ちます。枝がぱきりと折れて中が茶色く乾いていれば、その枝は枯れています。判断がつかないときは、切らずに春まで置いておくほうが安全です。

室内に入れられない場合

大きく育った株や、室内に置き場所がない場合は、軒下やベランダで寒風を防ぐ方法もあります。不織布のカバーを鉢ごとかぶせて、夜間の冷え込みと風を和らげるやり方です。

ただし、これは屋外で確実に越冬できる方法ではありません。効果は地域の最低気温と置き場所の条件に大きく左右されます。0℃を下回る地域では、あくまで取り込みまでのつなぎ、あるいは軒下で霜を避けられる環境での補助と考えてください。確実に残したい株は、室内に入れるのが原則です。

春の戻し方

4月に入り、最低気温が10℃を超える日が続くようになったら、少しずつ屋外に戻します。

いきなり直射日光に出すと葉が焼けます。まず数日は日陰に置き、半日陰、日なたと段階を踏んでください。同じころに植え替えと元肥を済ませておくと、そのまま生育期に入れます。

赤く綺麗なハイビスカスの花
冬を越した株は、翌年もこの花を咲かせてくれる

植え替え|根詰まりのサイン

鉢植えは1〜2年に1回、植え替えます。適期は4月から5月。生育期に入る直前です。

根詰まりは次のかたちで表に出ます。

  • 水をやってもすぐ乾く、逆に水がしみ込みにくい
  • 鉢底の穴から根が出ている
  • 肥料も日照も足りているのに、花が小さくなった
  • 下葉から黄色くなって落ちる

手順は、鉢から抜いて古い土を3分の1ほど落とし、黒く傷んだ根や巻いた根を切り、ひとまわり大きい鉢に新しい用土で植え直します。

根を落としすぎないことが大切です。迷ったら根鉢の肩と底を軽くほぐす程度にとどめ、植え替え後は直射日光を避けた場所で1週間ほど養生させます。

増やし方|挿し木

ハイビスカスは挿し木で増やせます。気に入った株を残したいとき、冬越しの保険をつくりたいときに使えます。

適期は6月から8月。気温が高く、根が出やすい時期です。

  • その年に伸びた充実した枝を、10〜15cmほど切り取る
  • 下のほうの葉を取り除き、上に2〜3枚だけ残す
  • 残した葉が大きければ、半分ほどに切って水の蒸散を抑える
  • 切り口を1時間ほど水に浸けてから、湿らせた清潔な用土に挿す
  • 明るい日陰に置き、乾かさないように管理する
  • 1か月ほどで根が出たら、小さな鉢に植え替える

用土は肥料分を含まない清潔なものを。挿し木用の土か赤玉土(小粒)の単用が向いています。品種によっては根が出にくいものもあるので、複数本挿しておくと確実です。

トラブルの原因と対処

つぼみが落ちる

原因はいくつかあります。順に疑ってください。

  • 水切れ……一度でも鉢をからからにすると、つぼみから落ちます
  • 急な環境の変化……置き場所を大きく移動した直後に落ちることがあります
  • 高温……真夏の強すぎる日ざしと鉢内の温度上昇
  • 肥料切れ……つぼみを維持する体力が足りていない

花が咲かない

つぼみそのものが上がってこない場合は、日照不足をまず疑います。次に肥料不足、そして根詰まりです。

もうひとつが切りすぎ・切らなすぎです。新しい枝の先に花をつけるため、何年も切らずに古い枝ばかりになると花数が減ります。逆に花芽ができてから強く切ると、その分の花は失われます。

葉が黄色くなる

下葉から順に黄色くなって落ちるなら、根の傷み根詰まりの可能性が高いです。水のやりすぎ、あるいは受け皿に水をためたままにしていないか確認してください。

葉全体がまだらに黄色くかすれてくる場合は、ハダニが疑われます。葉裏を見て、細かい点や白い糸のようなものがないか確かめてください。

害虫

ハイビスカスにつきやすいのは、アブラムシ(春から初夏、新芽やつぼみに群がる)、ハダニ(乾燥した高温期、葉裏に発生)、カイガラムシ(枝や葉のつけ根に白く付着)です。

いずれも早期発見が要です。少ないうちは葉裏まで水をかけて洗い流すだけでも減らせます。増えた場合は薬剤で対処します。

※薬剤には、使用できる植物と対象となる害虫が定められています。使用の可否・希釈倍率・回数は、必ず製品ラベルの記載を確認してください。

ハイビスカスの育て方でよくある質問

Q. ハイビスカスを庭に植えてはいけない、と聞きました。
植えてはいけない植物ではありません。地下茎で広がる性質はないためです。ただし多くの地域では冬を越せないので、地植えにすると一年で終わってしまう、という意味でそう言われることがあります。毎年咲かせたいなら鉢植えにして、冬は室内へ取り込んでください。

Q. 花が一日でしぼんでしまいます。株が弱っているのでしょうか。
いいえ、正常です。ハイビスカスの花は一輪の寿命が一日で、朝に開いて夕方にはしぼみます。翌朝には隣のつぼみが開くため、株全体としては咲き続けているように見えます。つぼみが次々に上がっていれば問題ありません。

Q. 室内だけで一年中育てられますか。
難しいと考えてください。強い光を必要とするため、窓辺だけでは日照が足りず花がつかなくなります。春から秋は屋外、冬は室内という往復が基本です。

Q. ハーブティーのハイビスカスも同じように育てられますか。
別の植物です。ハーブティーに使うのは「ローゼル」という近縁種で、栽培方法も異なります。この記事で扱うのは観賞用のハイビスカスです。

まとめ|次の一歩

ハイビスカスの育て方は、押さえるところがはっきりしています。日なたに置き、水と肥料を切らさない。そして最低気温が10℃を下回る前に、切り戻して室内へ入れる。この2つで、来年もまた同じ株の花に会えます。

※当サイトはすべて自社で撮影した写真を掲載しています。剪定や挿し木などの作業工程は撮影できていないため、写真の掲載はありません。

次に見ていただきたいページを3つ。

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この記事を書いた人

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