初夏になると、道路の植え込みや公園、庭先で、赤紫やピンクの花をびっしりと咲かせるサツキ(皐月)。よく似たツツジと混同されがちですが、開花の時期や葉・花のようすに違いがあります。このページでは、当サイトが実際に撮影したオリジナル写真とともに、サツキとツツジの違いと見分け方を中心に、花言葉や名前の由来、種類、育て方の基本までをまとめて紹介します。
サツキ(皐月)とはどんな花
サツキは、ツツジ科ツツジ属に分類される常緑性の低木です。原産地は日本で、山奥の岩肌や渓流沿いに自生していたものが、江戸時代の園芸ブームを経て数多くの品種に改良されてきました。樹高は50cm〜1.5mほどで、家庭の庭木や生垣、盆栽としても広く親しまれています。別名はサツキツツジ(皐月躑躅)や映山紅(えいざんこう)などと呼ばれ、名前のとおりツツジの仲間です。
初夏に、ラッパのような形の花をたくさん咲かせるのが特徴で、色は赤紫やピンク、白、しぼり模様のものなどさまざまです。丈夫で刈り込みにも強いため、剪定でさまざまな形に仕立てられるのも魅力です。トップの写真は、鮮やかな赤紫の花を咲かせたサツキを間近でとらえた一枚です。
もともとは山奥の岩肌や渓流沿いといった、水の流れる厳しい環境に自生してきた植物です。川が増水しても流されにくいよう、樹高を低く保って育つように進化したともいわれます。花の奥には蜜があり、子どものころに花を摘んで蜜を吸った思い出がある方もいるかもしれません。丈夫で日本の気候によく合うことから、街路や公園の植え込みとして、もっとも身近な花木のひとつになっています。
葉は小さめで厚みがあり、光沢のある濃い緑色をしています。常緑性なので冬も葉を落とさず、日当たりのよい場所では秋に葉が赤く色づくこともあります。生長はゆっくりで、大きくなっても樹高1〜1.5mほどにおさまるため、狭いスペースでも扱いやすい花木です。
サツキとツツジの違い・見分け方
サツキとツツジは、どちらもツツジ科ツツジ属の仲間で、姿がよく似ています。じつは、サツキは「サツキツツジ」とも呼ばれるツツジの一種です。そのうえで、いくつかの点に注目すると見分けやすくなります。
| ポイント | ツツジ | サツキ |
|---|---|---|
| 開花時期 | 4月〜5月中旬ごろ | 5月下旬〜6月上旬ごろ |
| 花の大きさ | 大きめ(4〜5cm) | 小ぶり(3〜5cm) |
| 咲き方 | つぼみが一斉に開く | 少しずつ時期をずらして咲く |
| 葉 | やわらかく、細かい毛がある | 硬めで光沢があり、つるつる |
| 花と新芽の順番 | 花が先に咲く | 新芽が出てから花が咲く |
| 樹高 | 大きいと数mになることも | 1.5mほどまで |
見分けのいちばんのポイント
迷ったときは、まず開花時期を見てください。桜が終わった4〜5月に咲いていればツツジ、5月下旬から6月にかけて咲いていればサツキの可能性が高くなります。花の咲いていない時期でも、葉を触ってみて、やわらかく毛があればツツジ、硬くて光沢があればサツキ、とおおよそ見分けられます。ただし、どちらも品種改良が進んでいるため例外もあり、あくまで目安として楽しむのがおすすめです。
花のようすでも見分けられます。ツツジは大きめの花が枝いっぱいに一斉に開いて華やかに咲くのに対し、サツキは小ぶりの花を少しずつ時期をずらして咲かせます。そのため、多くのつぼみを残しながら咲いているようすが見られたら、サツキであることが多いといえます。おしべの本数がツツジのほうが多い、という違いを挙げることもあります。
サツキもツツジの一種
そもそもサツキは「サツキツツジ」と呼ばれ、分類のうえではツツジの一種です。ツツジ科ツツジ属には、ほかにもシャクナゲやドウダンツツジ、アザレアなど、姿の異なる仲間が含まれます。日本では、開花の遅いものを「サツキ」、早いものを「ツツジ」と呼び分けてきた、という見方もできます。厳密には同じ仲間なので、無理に区別しようとせず、咲く時期の違いを楽しむのもおすすめです。
なお、ツツジの仲間の一部(レンゲツツジなど)には毒があるとされ、花の蜜にも注意が必要な品種があります。小さなお子さまやペットがいるご家庭では、口に入れないよう気をつけると安心です。心配な場合は専門機関の情報もあわせてご確認ください。
サツキの花言葉と由来
サツキの花言葉には、「節制」「貞淑」「協力」「幸福」などがあります。「節制」は、乾燥に強く水を多く必要としない性質に、「協力」や「幸福」は、岩場や渓流といった厳しい環境でもたくましく育つ姿に由来するといわれています。「貞淑」は、派手すぎず品よく咲くようすに重ねてつけられたとも言われます。花色によって花言葉を紹介している例もありますが、いずれも諸説があり、出典によって挙げられる言葉や由来が異なるため、贈り物などに用いる際は最新の情報もあわせてご確認ください。いろいろな花の花言葉は花言葉一覧のページでもまとめています。
誕生花としても扱われることがありますが、日付は媒体によってさまざまです。気になる場合は複数の情報源で確かめてみてください。
サツキの名前の由来
「サツキ」という名前は、旧暦の皐月(さつき=5月ごろ)に花を咲かせることに由来するといわれています。漢字では「皐月」のほか「杜鵑花」と書かれることもあります。これは、ホトトギス(杜鵑)が鳴く旧暦5月ごろに咲くことにちなむとされています。俳句では夏の季語として親しまれ、初夏の風物詩として古くから日本人に愛されてきた花です。
サツキの開花時期
サツキの開花時期は、5月下旬から6月上旬ごろです。ツツジよりやや遅れて咲き始め、つぼみを少しずつ開かせながら、およそ1週間ほどかけて満開になります。少しずつ表情を変えていく咲き方も、サツキならではの見どころです。梅雨に入るころ、街なかを彩る花として目にする機会が多い花です。刈り込まれた生垣がいちめん花で覆われる光景は、初夏の風物詩といえます。
サツキの種類・品種
サツキは古くから品種改良が重ねられ、今では1,500種を超えるともいわれます。「大盃(オオサカズキ)」「晃山(コウザン)」「華宝(カホウ)」など、多くの園芸品種に名前がつけられており、愛好家によるコレクションや品評会も盛んです。
花の咲き方も、一重咲きのほか八重咲きなどがあり、花色も赤・ピンク・白・紫や、一つの株に複数の色や模様が出るしぼり咲きなど、バリエーションが豊富です。庭のテイストや好みに合わせて選べるのも、サツキの楽しみのひとつです。愛好家の間では、めずらしい品種を集めたり、品評会で花を競い合ったりと、奥深い世界が広がっています。初めての方は、まず花色や樹形の好みで気軽に選んでみるとよいでしょう。
サツキの楽しみ方(庭木・生垣・盆栽)
サツキは刈り込みに強く、さまざまな形に仕立てられるため、庭木や生垣として広く使われています。低くまとまるので、道路沿いの植え込みや花壇の縁取りにも向いています。また、古くから盆栽の題材としても親しまれ、小さな鉢の中に幹の姿や花つきの美しさを凝縮して楽しむ愛好家も多くいます。花の時期には、各地の庭園や「つつじ寺」でサツキやツツジの見事な景色を楽しむこともできます。仕立て方や剪定など、育てるうえでのくわしいコツは、次の育て方のページで紹介します。
サツキの育て方の基本
サツキは日当たりのよい場所と、水はけのよい酸性の土を好みます。酸性の土を好むのはツツジ科に共通する性質で、鹿沼土やピートモスを使うとよく育ちます。育て方のポイントは大きく3つ。①日当たりと風通しのよい場所に植える、②水はけのよい酸性土(鹿沼土など)を使う、③花が終わったらすぐに剪定する、ことです。とくに剪定は、翌年の花芽を切らないよう「花後すぐ」に行うのが大きなコツで、庭木・生垣として、また盆栽として仕立てる楽しみもあります。サツキもツツジも手入れの基本は共通しているので、どちらを育てるときにも同じ考え方が役立ちます。
剪定の時期と切り方、盆栽の仕立て方、肥料や病害虫への対処など、より詳しい育て方は別ページ(準備中)で紹介する予定です。
サツキの無料写真・画像素材
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👉 サツキの関連写真もあわせてご覧いただけます。
サツキの見頃と楽しみ方
各地にはサツキやツツジで知られる名所(つつじ寺)も多く、花の時期には多くの人が訪れます。刈り込まれたサツキが斜面いっぱいに咲きそろう風景は、初夏ならではの見応えがあります。
